外傷性脳損傷とは?

 外傷性脳損傷(昔は頭部外傷と言った)といっても脳が直接に外からの力で傷を受けることは少なく、脳脊髄液のなかで多少浮遊している状態にある脳が頭蓋骨に受けた打撃で揺すられ、本来なら脳の保護作用を担う筈の頭蓋骨にぶつかって損傷を受(挫傷)や脳の振動で固定されている所とこうでない所のずりが起こり、神経線維が方々で切れてしまうこと(びまん性軸索損傷)などが起こります。勿論頭蓋骨が骨折して直接の脳の損傷や出血などが起こります。

 

 想像してみて頂けると分かりますが、このようなことが起こるのはどんなときでしょうか?一番問題になるのは交通事故による閉鎖性脳損傷で、その他は落下、転倒、またスポ-ツや、レクレ-ションのような特別の場面でも起こります。

 

 その結果は、一般的に高次脳機能障害と呼び、注意力、記憶力、遂行機能などの認知機能障害を起こします。日常生活ばかりでなく、社会生活にも大きく影響します。